稲垣和俊戯曲集

戯曲集をここに。まさかのここに。

2020-01-01から1年間の記事一覧

行人日記

原沢から智春へのビデオレター 世界は少しづつ拡張していて、私は少しづついなくなっていく、どうも。原沢です。智春くん、お久しぶり。君が頼んできたように、君の兄さんとの旅行のことについて、話していこうと思う。君や奈々江さんのことを考えるとね、す…

明夜、雨に濡れられない

※この戯曲は「明夜、蛇になれない。」の初稿です。 もしもし、もしもーし、聞こえてる。いきなりごめんね、どうしてるかと思って。どうしてたっていいんだけども。どうということもないのだけども。今ね、立ち止まってる。困るね、終電を逃しちゃった。飲ん…

お隣さん、愛おくれ。(書きかけ、途中まで)

※なかなか書き終わんないので、書きかけですが上げます。続きかけたらちょこちょこ更新します。こうすべき、こうしたいだとか、途中までだけど感想とかありましたら教えてくださいませ。 「お隣さん、愛おくれ」 冬。雪が降っている。夜の手前。 部屋。 カー…

明夜、蛇になれない

女、いる。 耳にイヤホン。マイク付き。 イヤホンのコードの先は服のポケットの中。 もしもし、もしもーし、聞こえている?私。いきなりごめんね、どうしてるかと思って、どうしてたっていいのだけども、どうということもないのだけども。なんだかね。なん…